鼠の歯/すみきたすみれ
 
で酒を飲んだ男たちの
手に毟られた、痛んで草のようになった髪

からかっていただけなんて今更
告げようと、思っているのか?
こちらかが笑って取り繕うのを当てにして
今日にも本気で諦めるのを待っているのか?

これ、これは道端で拾ったんだ
渡した青いインクの札束が手の汗で
滲み、開き始めた瞼の下に映る顔
執心に曇る、もう二つの瞳

這いずりまわって知ることもできず
知りたいのかどうかもわからない本心は
お前の瞳の中に
きれいに映っている
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