箱庭にて 雪氷積りて 草花艶やかに/黒ヱ
廻す過敏な歌を吹きて 雪煙り
深く鋭く 凍てつかせ
「冷たく 固く 凍るがいい!」
「ああ! あなたよ! 光をくれ!」
幾度と浮上する 彷徨う思念
沁みいる 冷たさに靡く(なびく)
手を取り合い 共に歩み
明日とを繋ぐ輪をくぐると 約束し合ったのに
それでも あまりに 高く 温かく
煌めき そして凍てつかせる 天に叫ぶ
「一夜の長きの切なさよ!」
当たり前に 応えはない
枯れ行くのか その前に萌えぬのか
それすらも無いのか
「もう 分かっているのだろう」
「もう 気が付いているのだろう」
そうだ
ここに光はいない
永
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