とある夏の短歌集2/ark-eyes
ぞーぞーと押し寄せる波、脚冷たく。飛んだ帽子よ、黙って逃げるな。
白い肌 君が弾く手は葬送歌、頭の中がぼんやり霞む。
早朝の潮の匂いと、ただ濃霧。夢心地に 君、頬つねる
「飽きないの?」朝から晩まで六絃琴。「君を弾くのは薄明までさ。」
砂浜の暑さに耐えきれない草履 除けて水と触れあう僕ら
ひと夏の過ちなんざアホらしい。人生今まで挫折、挫折。
火遊びを進める大人はいないけど おねしょがしたい大人もいるはず。
いいですか? だめだよ君はここで死ぬ 鬼の形相 死者の手招き
瞳の奥透き通った目が僕抉る。見なければ良かった、もう戻れない。
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