シュレッダー/マクベス
伺っている檻の最前線でもあるということだ。
よりによって何でこんなところにシュレッダーを求めに来てしまったのか?と言いたいところだが私は上司の命令で個人情報防衛という目的のためどうしてもシュレッダーを手掛かり探しださなければならない。
シュレッダー
「シュレッダー」はじめ店員は固有名詞の意味を思い出すように、二度目は確信するように呟いた。
すべてを理解すると彼は顔を渋らせた。よりによって何でこんなところに…
「お客様」しかし虚空を見つめていた店員は間を置いてから決心を固めた目に変わっていた。彼もまたわたしと同じように運命のいたずらを呪いそれでも突発的な任務の遂行に気持ちを切り替えたのだ。
「私のすぐ後ろを付いて来て下さい。何があっても決して私の姿を見失ってはいけません。」
そう言うと店員はカッターナイフでありったけのペットフードを破り檻の中にさんざん撒き散らすと次は迫り来るショッピングカートの死角を突いてあっという間に冷蔵庫群の隙間に飛び込んだ。
「さあ、今です。一気に電気街の裏を駆け抜けます。」
私は唾をゴクリと飲んだ。長い一日が始まろうとしていた。
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