風/
葉leaf
た
記憶が音楽にいつまでも遅延する夜のことだった
鳴り響く手に最後に訪れたのは手の形をした風だった
手と風は互いに絡み合いながら
互いに最後の贈与として沈黙を与えた
もはや風は音を運ばず手は音楽を鳴らさない
その代わりに彼らをめぐる自然が大合奏をした
手は細胞に戻り風は大気に戻り
再び欠落が欠落のままに
そうして私とあなたは今日初めてあいさつを交わす
終焉の記された土地の刻まれた囲いの中で
戻る
編
削
Point
(3)