風/葉leaf
 

記憶が音楽にいつまでも遅延する夜のことだった

鳴り響く手に最後に訪れたのは手の形をした風だった
手と風は互いに絡み合いながら
互いに最後の贈与として沈黙を与えた
もはや風は音を運ばず手は音楽を鳴らさない
その代わりに彼らをめぐる自然が大合奏をした
手は細胞に戻り風は大気に戻り
再び欠落が欠落のままに

そうして私とあなたは今日初めてあいさつを交わす
終焉の記された土地の刻まれた囲いの中で

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