ひとつの別れ/朧月
 
ひとというものは
通り過ぎるものだとおもう

そんなわけで父もまた
私を通り過ぎたのだとおもう

私もまた
だれかを通り過ぎるのだろう
忘れられてもかまわないけれど
できるなら
私は忘れないでいたい

ひとが
私を通り過ぎたことを
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