それだけでそこは海だった/モリマサ公
皮膚が青く発光しながら離れていく
わたしたちの本当の名前をよばないでください
あの時もうすでに終わっていた命
夏休みのプールの匂い
それから
冬休みのプラットフォーム
ながいながいコードをひきずって
たぐりよせてからまって
狂ったように音の中を歩いている
音しかきこえない
わたしたちはすでに音だった
わからない
それで充分だった
それだけですべては
もうすでに完璧
だった
どこか遠くにいきたい
ほつれていく
わからない
理由なんて
どこにもみつからなくて
そうやってすべては完璧になった
ここには
すでになんでもそろっていたので
全然ほしいもの
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