晩夏/
はなもとあお
年齢に生かされる宵扇風機
夢うつつ水中花に見る未来像
箱庭やとどまる過去といまの檻
眠らずの幽霊みたく闇を描く
さみしさの性を封じる夜光虫
黙ってる自分の声が蝉時雨
障害の土俵で始める夏の夕
鶏頭となるも牛後になるなかれ
辛いいま光を滅す熱帯夜
峠ごえ明ける日の朝肝試し
眠れ眠れ学べや学べ暑中見舞
前を向く覚悟にしみる砂糖水
戻る
編
削
Point
(2)