彼方の孤城/カンナ
 
読みきれない程の本たちの 眠り眠ってる図書館で

そうね、壁は紫がいいわ 綺羅綺羅してるの、ライラック色

甘くて甘いアカシアの 薫りに溺れるその広間

私は独り、泣いて笑って 踊って舞って、また眠るの

大きな遥かなシャンデリアが 落ちて来ないかと肩を抱いて

それでも猫脚ソファに潜り 狂ったように唄い続けるわ

それでも嫌いなひとを呪って 狂ったように待ち惚けるわ

お紅茶にはね、ミルクを注いで お茶が三に、ミルクが七よ

ミートパイには、砂糖を振って 赤砂糖でないと食べないからね

嗚呼まだかしら、まだかしら 踊って舞って、また眠るの

狂ったように唄い続けるわ 眠り眠ってる図書館で

読みきれない程の本たちの 眠り眠ってる図書館で






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