空と町と人が忘れていく/創輝
またひとつの空の青を忘れる存在なのだ。
この町は ぼくを日々の雑踏に押し込んで日常の中に消していっても
ぼくが生きた証は 無粋な住民票に記されている
忘れたように1年に1度とどくような
古ぼけた年賀状に記された住所が ぼくがここにいたと叫んでる。
忘れてもいいのだ 友よ
ひとは学び、歩き、覚え、そして忘れることを義務とされる生き物なのだ
だから友がぼくを忘れることもまた然り。
ぼくだけは忘れずにいようなどと思えるもので。
みんなが忘れて ぼくだけが覚えている
そんな優越感すら探してみている。
空の青 永久に変わらず。
町のざわめき いつまでも。
友達の文字は
ぼくが生まれた瞬間から
僕と言う存在を ぼくが忘れるまで……
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