うしろ歩き/灰泥軽茶
 
小学生ぐらいの女の子が下校中一人で

自分に課したルールで遊んでいるのか

罰ゲームか何かなのか

後ろ向きで住宅街をゆっくり歩いている

月面遊泳のようなスローモーションで

ランドセルを背負っている

目が合うと眉毛がへの字になってゆき

マジックで落書きされたようになってゆき

とても可愛らしい

しばらくして振り返ると

一本道小さくなった女の子が

まだうしろ歩きしており眉毛がまた

きゅっきゅっとへの字になって

自宅まで

まだまだなのだろうか

あと少しなのだろうか

気恥ずかしさに耐えられだろうかなと

眉毛さんとバイバイする










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