カエルの親友A子/ざらざらざら子
転校生のせなかをおした水曜日、わたしが階段をふみはずすのは決まって水曜日、わたしたちきっとA子になる、被害者A子なのか加害者A子なのかは誰も知らない、未来だってまだこしらえてないってのに
上履きがきつくなっても踵をふんでしまえばどうにかなるし、黒板を汚す数式や文法はなにかの暗喩だと気がついたとき消しゴムは磨り減らなくなった、集中力の先に眠りがあってそのさきにはおばあさんにならなければ受容できないような甘い世界が広がっている、誰もが通る道なのよといわれても、だれも印を残してくれなかったんじゃないの、道に迷う、ヘンゼルとグレーテルの青い瞳、パンくずは小鳥たちがたべてしまったんだよと誰かがつぶやく
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)