夏、暮れる/M?lodie
 

蜂蜜色した時間を歩く
裸足で歩いた夏の日は
今は慣れないヒールの下で
遠く揺らぐ陽炎と同じ
30℃をなんとも思わなくなって
私は私をなんとも思わなくなった
泣いて震えて地団駄踏んだ
あの日も遠く過ぎ去って
じりじり焼き焦がされていく
灰に変わる
怒りも衝動も何もかも
哀しみさえも見失ったら
高くなったヒールの分だけ
私は私を忘れていく
そうして大人になるのだろう
微かに塩素とひなたの匂い
隣を子供が駆け抜けた
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