薄明かり/黒髪
 
幽かな明るさに涙落つ
生きとし生けるものの
輝きには限りというものがない
それは覆われて弱くなってる
つらいこと悲しいことは
われわれの内なる精神の何物も損なえない
全体を固い殻が覆っている
明かりは闇払うもの
地をぼうっと照らすものだ
互いに助け合って進もう
黒く染まった心と目の中の光は
闇とその中の明かりであり
薄明かりを寂しく歩くときには
悲しい歌を思い出すが
いつか楽しい日をと願っている

薄明かりの中に幻燈の風景が展開される
それは瞳の秘密が生み出している

苦悩を解明したい
黒のクリスタルのような透明な闇になった空気
それに思い出はひたひたと地
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