歩き出した干潟は/
草野大悟
忘れさられた言葉が
おしゃべりをはじめる海で
魚たちは言葉になって
人のなかへと泳いでくる
おおきな風は
おおきな影を
ただ、夢という魚に変換して
泳いでいる
どこを?
魚になった言葉や
風になった海や
影になった夢や
泳いでいる、になった人や
しっとり、が
干潟を創るから
みんながおいそれとはモスバのハッピーセットを
ゲットする
ことは
できない
歩き出した干潟は
タシカに
乳幼児の顔をしている
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