水の言葉、結晶の音/水町綜助
 





夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってあげる
夢中になって
崖から落ちてしまうのを
すくってほしい
しなる稲穂の
カーブのような腕で
白い、手
やわらかく
花が咲き、散るさまの
微速度撮影のように
ゆっくりとわらう
確かではない
記憶に焼いた
目線と俺の目

あさ
夜があけて
港湾に
夜、
ひとがあふれて
四角く区切られた
海に、風が吹いて
風紋が塩水をさざ波たてて
壁に当たっては消えていくように
街にすいこまれていく
つま先に当たる
小石が
防波堤から落ちていくのを
朝日を透過する海水が
ゆらゆら踊らせてい
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