たのしい生物/yuez
 
プレゼントの花束には毒が入っていました
「いいかい。これはバラという樹の生殖器だ。植物の涙ぐましい進化の歴史さ」
彼の長い舌はまるで昆虫の吻のようでもありました
「いひひひ」

プレゼントの小瓶には星の砂が入っていました
「ごらん。この砂の正体は虫の死骸だ」
ギャッと叫んで私は小瓶を放り投げちゃいました

ある夜 満天の星空の下で男は唐突に屁をひり出したのです
「ねえ、あなたって人はなんだって平気でデート中に屁なんてこけるのかしら」
私は耐えかねて思わず聞いちゃいました
「イタチはプロポーズするとき、すごく臭いオナラをするんだよ。知らないの君」
「…え」
うろたえている
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