弱さの剣を抱いて/ゆったいり
ぼくはあの地平線から生まれたんだ
ぼくはきみの期待に
沿わない
ちがう
沿えないんだよ
きれいな砂はあるけれど
きれいな土はないんだね
ぼくは逃げて、きみは正しい
知らないことを否めるのかな
淀みが溶け合うあの沼と
そこにしか咲けない睡蓮
世界が求める人間以外
生きてはいけないのだろうか
金の鎧に花は咲かない
ぼくに戦う腕はない
けれど生きるんだ
いや
だからこそ生きるんだ
かなわぬまでも剣を取るんだ
弱さの剣を抱いて
逃げ出す足で躍り出た
ぼくが進めるのは
還るところがあるから
母なる大地のふところに
ぼくの主軸が刺さっているから
ああ骨を埋めるんだ
うずめるために生きているんだ
胸に弱さの剣をだき
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