弱さの剣を抱いて/ゆったいり
 
ぼくはあの地平線から生まれたんだ

ぼくはきみの期待に
沿わない
ちがう
沿えないんだよ

きれいな砂はあるけれど
きれいな土はないんだね

ぼくは逃げて、きみは正しい
知らないことを否めるのかな

淀みが溶け合うあの沼と
そこにしか咲けない睡蓮

世界が求める人間以外
生きてはいけないのだろうか

金の鎧に花は咲かない
ぼくに戦う腕はない

けれど生きるんだ
いや
だからこそ生きるんだ
かなわぬまでも剣を取るんだ

弱さの剣を抱いて
逃げ出す足で躍り出た

ぼくが進めるのは
還るところがあるから
母なる大地のふところに
ぼくの主軸が刺さっているから

ああ骨を埋めるんだ
うずめるために生きているんだ
胸に弱さの剣をだき




戻る   Point(1)