八月の機械/左屋百色
道端の芸術
速攻で回収
右脳に栄養
暗闇の文学
孤独な毒書
草原へ移動
逆光と逆説
心臓を創作
反感の売買
脈打つ数字
金属の性質
耳潰す静寂
派手な礼服
前菜と若鮎
言葉を実食
男子は紺色
女子は水色
恋人は灰色
週一で透明
月末は温泉
理屈の敗北
海辺へ一歩
傷口が熟成
無料の珍味
名物の饅頭
六個か七個
欲張り詩人
満腹で嘔吐
店先で失笑
罰金で黄昏
孤高の布石
理解は墜落
昭和の感性
平成で炎上
陽気な壁画
懺悔と拘束
胡蝶の波乱
精密な老化
腰鼓で招魂
百年と十年
突拍な引用
左脳で誤解
批評を削除
戦争の歴史
広島の夕方
八月の機械
上空の鉛色
舌上の青空
口笛で投稿
ごらんよ、
崩れ落ちた屋根の上に極彩色の日常を
言葉より速く飛ぶ鉄の冷たさを
現代詩が次々と引き算してゆく過程を
優しい茜色が出番を見失う姿を
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