非業の朝/半知半能
 
雪が融けて道の脇で泥とまみれてるから
僕の視界の半分はマーブルで
初夢の材料にはおあつらえ向きでした

 日本全国各家庭の皆々様が食べるおせちで
 ごったがえした胃の中で
 未来を失った数の子ひとつぶひとつぶが
 一言に満たない未練を胃の壁に書き残して
 消化されていきます

  寝正月寝正月
  本当は大晦日と元旦の境なんてないので
  移り気なめがねが求めるままに
  チャンネルを廻します

   (ああ!今このときにも誰かが!)
   (私の降らせる雪を待っている!)
   (いい加減なダイヤグラムなど崩してしまえ!)

    恐怖感で崖の縁まで追い込
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