墓標/寒雪
潮風ばかりが幅を利かす
テトラポットの脇で
小さくなってる砂浜の上に
そこらへんに落ちてた
たどり着いたばかりの木屑を集めて
組み上げた墓標めいたシンボルに
ぼくは気取ってみせて
きみに向かって
永遠を口にするけど
その時は気付いてないんだ
脳内麻薬が時限装置で出来ているなんて
三年経ってすっかりもう
永遠という言葉が
小便と一緒に一滴残らず
体内から排出されて
残ったぼくの中身はもう
あの日
きみの前で口に出した
そのシチュエーションさえ
記憶の片隅であやふやになって
もう形の正確さも思い出せなくて
あの日
きみの前で組み上げたシンボルも
いつの間に
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