夕日/蒼木りん
 
さて
今日の夕日を見ることができなかった

東の雲を
あんなに紅く染めていたのに

冬の水色の空を
光の矢は貫いていただろうに

なんて
日々の過ぎ行くのは速く

わたしなど
目もくれず置き去りにする

向かい風に沁みて
乾いた頬に涙こぼれても

包まれるものなどないから
ひとりで強くなる

あなたの愛は忘れない
永遠にわたしとともにある

明日という日を待たずに
作り出そうと思う

誰の日々でもない
わたしの日々を

見送らずに
わたしのものにするために



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