2005.1.1/いとう
 
ったものの
そのほんの一握りを背負いながら
背負うことのできない
それ以外のすべての死せるものの魂を
踏みつけていることに気づかないまま
いつか踏みつけられることに気づかないふりをしたまま
目線をそらして
目をそむけるという行為すら自覚せずに
あけましておめでとう

日が昇り
僕たちは死んでいく
その瞳は澄んで
あまりにも澄んでいるので
世界の細胞が崩れていく姿を見ることができない
あけましておめでとう
まだ生きています
あけましておめでとう
僕たちの背中はあまりにも小さいので
僕たちの魂すら
背負うことができません
背負えないまま
生きています
死んでいきます
あけましておめでとう


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