【雨に唄わず】/
つむじまがり
雨に唄わず
水たまりを飛ばず
街灯と踊らず
ただ目を開けて
この雨を見る
怠惰 諦念 虚無 倦怠
水を湛えた光の粒の中には
世界の全てが内包されている
落ちる世界
たくさん たくさん 落ちてゆく
目を閉じる
かすかに感じる詩の気配を追って
少しずつ五感を鈍らせ
少しずつ詩呼吸に入る
暗示的に表れる景色と言葉が
明示的に重なるまで
雨に唄わず
ただこの雨に
耳を澄ます
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