詩はやがて、現実の一部になる/yamadahifumi
詩人が詩を書けば
そこには一つの表現が生まれる
余人はそれを見て
そこに何か、美しいものの根拠があるような
錯覚をするが・・・それは間違いだ
詩人が知っているのは僕達に与えられたのと全く同じ
平凡で空虚で怠惰な世界
だが、詩人は全ての天才画家と同じように
人とは違う「眼」を持っている
それで、彼の眼を透して見れば
途端に、平凡なものは美しく輝くのだ
だから、僕達は詩の奥に
本の奥に何か非凡なものを期待してはならない
詩人や哲学者というのは、きっと、この世にもっともうんざりした者達で
彼らはそこで「自殺」という選択肢
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