夾竹桃 〜夏が来るたびに〜/西天 龍
季節の企みはいつも残酷で
美しい踊り子達が咲き競う
真夏の舞台に素裸で引き出され
お前も踊れと囃されている
毒で相手をとり殺す化け物と
囃されている
あるいは
冬枯れて朽ちた安穏と
もう二度と焦がれることのない思いに
尽きて果てた法悦のあとに
陽炎に溶けた半身だけを呼び起こし
空に血の染みをつける
夏が来るたびに
果てのない情念の火輪を廻しながら
永久凍土の下からでも甦ろうとする
我が身を呪う
あるいは
時の翻弄に抗しきれず目を瞑る
生の哀しみを呪う
夏が来るたびに
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