Guilty or Not Guilty/HAL
 
狂気とは大きな悲しみを背負い
その上にまた大きな悲しみを背負ってしまう人間の
一種の魂の救済なのだとぼくには想えるのだ

しかし断じてそれは神の慈悲でも慈愛でもなく
滅びようとする魂が為す自衛本能であって
この世に神などと呼ぶものの確固たる存在理由ではない

神とはひとの投影でありひとが創りだした妄想でしかなく
それ故にひとが神を描くときひとの姿に似るのであり
イスラム教だけが偶像崇拝を禁じた点で賢明なのかも知れないが

神など存在しないと知る故に見えないアッラーなる化身を創り
自爆テロによって無辜なるひとを殺戮することに躊躇せず
戦争をジハードと呼ぶ愚かな宗教だといつか歴史が裁決するだろう

もちろん他の宗教も祈りも教典も違うが
無神論者の法廷に於いて本質的には同じものとの理由で
歴史は推定無罪を考慮などせず怖れもなく“Guilty”との判決を下すだろう
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