抹茶アイスと滝/るるりら
 
奈落の底から 天上世界にまで突き抜ける滝が
私の体の中に 降りてゆく

これまで
沈鬱がわたしを咥えたまま 離そうとしなかった 私の目の前に
ただ黙って耐えていた私に 滝が現れたわ

狂気には至らなかったという 悲しい自負とは うらはらに
死におびえ 押し黙って 戦っていた 私に
かなしむほどのことではないと
実際 狂いはしなかったと 
妙な自負を 言い聞かせている私に
ほんとうは負けそうな私の目の前に


さしだされた ソフトクリームの やさしげな
らせんの形

一口その螺旋に 舌が触れたとき
凝り固まった苦しみがなんであったのか
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