五月病/村正
今夜でひと区切り
灰に身を浮かべている
安らぎは沈んでいる
やがてくる暗さに構える
ダースのひとかけらを
思い出してちぎる
灰は代わり映えのない
不透明を主張している
むせかえる床と
黒ずんだ窓辺
呼吸の不自由は
霧状でとりもどした
不規則な脈動が
ブレーキを壊して
不意に漠然におどされる
月日のように替えはしない
暦には見ない点の意味を知る
その狭間をさまよって
暗がりで待っている
有限に吸い込まれていくような
摂取と安定
死神が飽和を待っている
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