窒息する女性/はなもとあお
 

未来の社会に住む女性としてのための
教育だった


満たされないのは気持ちだけ


たったそれだけのことで
わたしはまだ
未来に生きられない


ただ
自分の子どもとして生まれた
子ども達には
あまえることを許す
負の連鎖を断ち切るための努力だけはしている


母は、理想的な厳しい母親、で
弱音を許さなかった
強さ、正しさ、明るさ、だけで
失敗や暗さを許さない空気の中で
それらを見ないようにしていたわたしだけが
少しずつ窒息していった


誰も悪くない
子どもには明るい道を歩ませたい
社会に求められた
良妻賢母に
わたしがなれなかっただけの話


子どものまま
成長しなかったわたしは
まだ
わたしの中にいる


肉欲を嫌い
人を遠ざけ
人間に憧れながら




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