美しき日々/
 
続けて浴びた風は
弾丸だった
それは僕が乱射し続けていた銃の跳弾で
行く宛ての無い無駄弾だった
頬を掠める音
それは、快感だったのかも知れない
君は手を差し伸べていたけれど
僕が掴んでいたのは
腕だった
君の指の隙間から、微かに聞こえていた
ゆらゆら
ゆらゆら
いいじゃん、君を放さなければ
そうして僕は
走った、
走った

曲は切り替わる
プリンセス・プリンセス/M
君は、速度を落としてこの歌を歌った
その時、僕は
掴んでいた腕を離し、跡をしげしげと見つめた
跡が残るのって、嬉しい
麦わら帽子の下で、君は健気に笑って
いつしか、僕の手の
指の隙間を
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