雨もよもよ/灰泥軽茶
家を出たとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
大きな傘さしチャリに乗る
ぱらぱら降ってすぐ止むかんじ
春風ちょっと強いかな
子供が傘でちょっと浮いている
楽しそうに笑って
台風かね台風かねと
どこかに飛んで行きたそう
うっすら明るくなってきて
やっぱりそうだよかったよかった
傘をたたんでペダルに力を入れたとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
女の子たちが四角い油あげみたいな
タオルを申し訳程度に頭にのせて歩いている
本屋に逃げ込みふらふら小一時間
ちょっと外を覗いてみると
とうとう止んでる感じ
やぁとスニーカーをきゅきゅと鳴らすと
なんだよく見りゃみんな傘さしている
ドアが開けばシャーペンの芯みたいな
しゃあしゃあ綺麗な雨もよう
いつのまにか傘がくの字に曲がっている
えいと力を入れればくへの字に
あぁなんだかなんだか
もよもよした一日だったなと
クリームパンを頬張っても
なんだかとても湿気っているよ
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