(最終回)アーヤと森とふしぎなひかり/吉岡ペペロ
もう太陽は森の向こうにかくれています
お母さんはなにを言ってるんだと思いました
いちばんって、なんのこと?
アーヤは太陽がかくれてできた森の影に立ちすくんでしまいました
あしたも、ここに、来るから、
アーヤはすっかり暗くなったまあるい芝生から帰ることにしました
アーヤの部屋から見える森が青黒く揺れています
あの日のふしぎなひかりを思いました
陽が落ちたわけではないのに薄まってゆくひかり
影の色まで淡くなったようなふしぎなひかり
ひかりのリングや迷いネズミの影
欠けた月のマークみたいな木漏れ日
あの日のヒョウスケくんまでまぼろしのようでした
だとしたら、ジャムとバターの瓶は
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