(最終回)アーヤと森とふしぎなひかり/吉岡ペペロ
 

もう太陽は森の向こうにかくれています

お母さんはなにを言ってるんだと思いました

いちばんって、なんのこと?

アーヤは太陽がかくれてできた森の影に立ちすくんでしまいました

あしたも、ここに、来るから、

アーヤはすっかり暗くなったまあるい芝生から帰ることにしました

アーヤの部屋から見える森が青黒く揺れています

あの日のふしぎなひかりを思いました

陽が落ちたわけではないのに薄まってゆくひかり

影の色まで淡くなったようなふしぎなひかり

ひかりのリングや迷いネズミの影

欠けた月のマークみたいな木漏れ日

あの日のヒョウスケくんまでまぼろしのようでした

だとしたら、ジャムとバターの瓶は
[次のページ]
戻る   Point(4)