闇/松本 涼
 

闇はひどく疲れていたようで
ほとんど私の話しを聞いていなかった

私もひどく疲れていたので
そんな闇を思いやれずにいた


そしてやがて静かに私たちは
重なることなくそれぞれに眠りつき

白々しい始発のアナウンスまで
ぐっすりと眠った


しかし目覚めると
闇の姿はどこにもなく

どうやら闇はその疲れも眠りも
そのまま受け入れる相棒に
あとを任せたようだった


私はゆっくりと身体を起こし
その相棒とやらに目を細めた


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