夜/いっと
二人の間にはビールがあり、冷めたピザが二枚並んでいる。
上気した顔が二つあり、お互いの口が、訳の分からない音を鳴らしている。
反対側の席には煙草の吸殻がうず高く積まれ、(女)が汚い話をしている。
店内は薄暗い。(店員)は冷めたピザを作る。
(ビール)に口をつける。
(女)には何の興味もわかない。死んでも構わない。
「私たちは初めから(二人)だったのかもしれない」
呼気と吸気が括り出される。(意味)を掬う。
(店員)が倒れている。
(女)
煙草が、細かい草に還る。
危険な徴候だ。蛍光灯が(ちらちら)とま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)