黒板消し/灰泥軽茶
バイクで信号待ちをしていると
学習塾の窓がそっと少し開き
にゅうと黒板消しを持った手が現れた
ぱんぱん一生懸命腕を振って
ぱんぱん外壁に叩いているのだが
あまり白い粉は出てこないみたいだ
観念したのか窓はゆっくりと開き
にゅうと瓶底眼鏡くんが現れ
威勢よくふりかぶって叩くと
白い粉は勢いよく舞いあがり
彼をすっぽりと覆い
教室にもわもわと入っていった
彼は目をしばしばさせ
あっちへいけあっちへいけをしているので
あんまり可笑しくて笑いながら眺めていると
彼も気づきこちらをちらちら気恥ずかしそうにしている
信号機が青に変わった
ちょうど頃合い
バイクを勢いよく発進させた
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