或る夜 眺めのいい部屋から/HAL
在と時間』について話しのできる女は数少ないが
SartreはHeideggerに比べただの餓鬼よと言える女はもっと少ない
だから彼女は一流企業の部長クラスの1ヶ月分の報酬を一晩で稼ぐ
帰りどきも分かり客の希望を察知してシャワーを浴び報酬を受け取り帰る
確かに一流娼婦と呼ばれるのは性的なサービスだけではない
高級娼婦の仕事とはを熟知しているプロフェッショナルだといつも想う
彼女が帰った後もう一度シャワーを浴びながら
ある夕暮れにチャイムが鳴り友人がドアを開けると
パリにいるはずの高田賢三氏が『河豚が食べたくなったから帰ってきた』
そんな話をふと想い出すその友人はすでに予
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