再海/村正
 
青い壁の泳ぎ方は忘れた

信じなかったコウノトリの話

気の遠くなるような昔では

青い地面を活きた気がするから

開かない扉に背を向けて

水平線を目指す

なにも持たずに居てもいい気がするから

足早に昼を連れ去る夕日を見ては

真似できずに漂うばかり

泡の一つも忘れない

なつかしさは波だから

いつかは海に属したい

回りくどくしぼりだした

ちょうどのどに潮が満ちて

言葉の渦に溺れる

胃にしずみこんでゆく

離岸流がみえていた

なにも保たずに居てもいい

そんな気がしたから

またあえるとか

本気で信じている

同じ海の下で
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