春の羽/灰泥軽茶
 
誰かが忘れた

飴色のカーディガンを羽織って

はっぱすきっぷじゃんぷして

風に乗る

滑るように

玉虫色に輝く茂るみどりの山を越えていき

鉄塔線の上に着地して

おーいおーいやほほいほーい

と大きな声で呼んでみると

朗らかな鳥の声がたくさん聴こえてくる

私は鳥の気持ちがにゅうと入ってきて

カーディガンをわっさわっさなびかせ

勢いよく滑空して宙返りをして

鳥の詩を歌いながら街へ降りていく






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