冥王星から/yamadahifumi
遠い海の平原で
誰かが眠っていようと
俺の心は目覚めている
世界の起床に合わせて
クジラが潮を吹く時
俺の魂は凪いでいる
この大海の前に全てを供出した
その見返りを受けたのだ・・・
さて、俺が後ろを振り返ると
そこには影の女人が一人
「お前を孕んだ時から
お前を呪い殺す宿命だった」と言って
女は俺に覆いかぶさってきて
俺を殺害した
だが、魂が「死」をくぐり抜けた後
俺のその魂は影の女人もあずかり知らぬ
平静をこの身に感じた
そこで俺は魂を吐き出すため
「存在(イグジステンス!)」と叫ぶ
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