豚は罠にかかり、死を待つ/俺の中の変態
鋤には歪に分断された眼球が粘膜と血液で濡れて光る
獣は泣き、その場から逃れようとする
柵のそばには朽ちた藁葺きの家屋
壁には乾いた糞尿で彩られた模様が
目と鼻に刺激臭
怯えながら拒否反応を起こした身体の内側が捻じれ
胃の中の物をすべて嘔吐したあとでも、吐き気はなくならない
白い胃液はやがて虹色の体液へ変わり
勃起した性器の先端からは粘り気のある白濁した液が雫となって地に落ちていく
兄弟は土に混ざった液体を舐め
青臭く塩辛い感触を長い時間をかけて味わう
戻る 編 削 Point(1)