トマトケチャップバスタイム/さわ田マヨネ
あって
もうちょっと本気だせよって
犯人にはおもってしまうこともあって
/
帰り道からぬるくなった日ざしが傾いていて
どこかで金属音が鳴りひびいていた
巻き戻すことで奏でられる情景がきっとサスペンスの醍醐味で
それは普段オルゴールのように
箱の中に大切にしまわれていてほしかったのに
本音がけっきょくぎこぎことうずまいてしまうっていう
もうどうにもとまらなくなってしまうっていう
整合性なんてやっぱりたもてないものでして
とりあえず南下したくなっていて
右側からまぶしかったバスのなかで
細かくふるえる模様がやがて
にじんでいくのをじっとみていた
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