生死とて/田園
 
朗らかに歌う若者よ
老獪な政治家に林檎をあげて

私は泣き続け
ここまで至り
そして気づいた事といえば
人生とは全く遊びであるという事だった
私の苦しみも誰かの喜び
私の喜びも誰かの苦しみ
そんな薔薇のつるみたいな連鎖で
なりたっているこの世
淘汰されるのはいったい何か

意志ある瞳の若者よ
暗がりにしゃがむ子供に愛を

私は心のアルバムに
いろんな人を撮っておいたけれど
気が付いたことをあげるのなら
皆去っていくという事くらいだった
私の愛は誰かの重み
誰かの愛は私の重み
そんな緩慢な依存のつらなりで
なりたっているこの世


さあ
殺されろ

と言わんばかりの空
ただ青く
死を満たしていた


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