春に移る/田園
燦燦たる結露を薄くなぞり
私の生命について少し考える
父と母の愛撫で私は生まれ
還暦になる父にそっと 赤
それはねぎらいと希望の証
私は今日は給料を貰い
今月も頑張ろうと
きっとどこかで同じことを考える人と
時間を共有している
時間は少ない
とても生命に追いつかない
けれど太陽 沸き立つ葉脈
美しい世界に悠久の存在を確認する
(それは私ではない何か)
完成された人形と
不完全は園児の組み合わせ
ほほえましいのは
それがあまりにも儚いから
いづれ完成された人形は捨てられ
園児は愛に惑う
愛
さんざ
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