天上の娼婦/和田カマリ
うだ、どうだ兄貴!」
弟は一生懸命ピストンしていた
羨ましくて堪らなかったのだろう
俺のファーストキス
俺のファーストファック
みんな草葉の陰でみつめていたのだろう
それで成仏できずに彷徨っていたのか?
基本同じなのに何も変わらないのに
生きてるってだけで、兄貴だけずるいぜ
みたいな
「お前、そんな美女と出来て羨ましいな。」
俺が言うと弟はスーッと泪を流した
「兄貴は俺の事が羨ましいのか?」
「ああ、裏山、マンモス裏山だよ!」
すると、弟の身体は宙に浮かび、全身金色に輝きパッと消えてしまった
その後、部屋には俺と女だけが残り
自然な成り行きで愛し合っていた
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