戯曲(習作つづき7)/星☆風馬
 
津 「いつまでも待ってるわ、お兄ちゃん」
龍児 「(龍児、客席に向かって数歩ふみだし雄叫び)奈津ー、おれはおまえのことが好きだー!」
奈津 「(奈津、同じく叫ぶ)お兄ちゃーん、わたしもお兄ちゃんのことが好きー!」
龍児 「奈津、おれはおまえのことが好きだ。おまえはおれの妹なんかじゃない。おまえは本当は、本当は、おれの妹なんかじゃなくて、母さんの産んだ子なんかじゃなくて、紗倉真奈という、もう死んでいない、紗倉真奈という人の落とし子なんだ」
奈津 「知ってるわ、全部知ってるの、そんなこと言わなくていい。お兄ちゃんはお兄ちゃん、わたしはお兄ちゃんのことが好き(ノイズ、爆撃音しだいに大きくなる)だ
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