戯曲(習作つづき7)/星☆風馬
 
奴らも。金にたかるウジ虫みたいなもんだ。それがあの震災でビルごと全部流されて、残る借金は雪だるま。社長の首も回らねえ。生命保険かけて死んでも、そんな金じゃ借りた金の足元にも及ばないんだからな。おそろしいもんだ。ようやく借金の整理がついたころ、紗倉義弘はドラム缶で海の中。残る母もガンで死に、真奈だけが残された。いっとき親戚連中のところを転々としてたらしいが、いきなりの転落だったし、たらい回しにされたんだろう」
父  「で、おまえ、毎晩通ってたのか?」
せむし「え?おれですか?リハビリですよ。インポですから」
父  「毎晩舐めてもらったのか?」
せむし「そりゃあ、そうですよ。相手も仕事ですから」
父  「奈津はおまえの子なんだろ?」
せむし「え?」
父  「おまえしかいないだろ?」
せむし「ちがいます」
父  「本当か?」
せむし「ええ」
父  「おまえ、やったんだろ?」
せむし「勘弁してくださいよ」

照明暗く、波の音
正面にプロジェクターより紗倉真奈の少しあらい映像が流れる
映像とぎれ喘ぎ声

―暗―
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