ひとつの悲しみ/
HAL
ぼくは30代の頃
浴びるように酒を呑んでいたが
二日酔いになったことがない
ぼくは良くお袋の肩を揉んだが
肩こりを経験したことがない
ぼくは殴り合いの喧嘩もしたが
一度として骨折をしたことがない
それらはぼくがそういうひとに
こころからやさしくなれないこと
痛みや辛さを分からないことと同じこと
戻る
編
削
Point
(8)