春畑/朧月
 
私にとっての
文字はいつでも切実すぎて
弄んだりできないかんじです

常に
タスケテをはらんでいます

あなたに
むけての

真っ白になったページがほしい
いつからなくなってしまったのだろう
すでにかきこまれた
ものしか残っていないのです

毎日はおなじような景色
でもいまの土はほら
期待をこめて耕されて
真っ黒なんです

どくどくいのちの音がするようです
そこだけマークされたような
植樹がひかっています

私の願いがあふれた文字でなく
遊びようのような
おえかきのような
はなうたのような
そんな文字で遊びたい

ぽかんと口をあけながら
梅の木の下で
真っ黒な畑をみています
戻る   Point(4)